現在予防医学として、フレイル・サルコペニア・イートロスへの対応が求められている。特に「食べられない状態が続くこと」を意味するイートロスは、歯科発の概念として、高齢者の要介護防止のため予防が重要と報告されてきた。一方で、このイートロスは、高齢者特有の状態ではないことも明らかとなりつつある。特に出生率が低下し、子育て環境が変化する中で、イートロスの小児がいることが想定されるようになってきた。実際、2018年には関連する病名として、口腔機能発達不全症も導入されており、今後は生まれてから亡くなるまでのイートロス対策が重要となると想定される。よって、今回これらのことを踏まえ、子どものイートロスの現状と予防へ向けた展望をまとめる。